このニュースが実現したら恐ろしいことになります。
■ゴルフ・リゾート会員権売却損、所得控除の対象外に 14年度から、政府・与党検討 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS28042_Y3A121C1PP8000/
政府・与党は28日、ゴルフ会員権やリゾート会員権の売却で生じた損失を2014年度から所得控除の対象としない検討に入った。
売却で損失が出た場合の所得税負担が増える。バブル期に高値で会員権を購入した人などが影響を受けそうだ。 (13.11.28 日本経済新聞)
何故なら、土地等の譲渡損規制についての前例があるからです。
かつては、土地や建物の譲渡損失は給与や事業の所得から控除できました。「損益通算」の対象だったからです。
これが損益通算から外された改正経緯を振り返ると、次のとおり。
平成15年12月18日 税制改正大綱が決定、公表 平成16年 3月26日 税制改正法案が参議院で可決、成立 平成16年 1月 1日 改正法を遡及適用
憲法に租税法律主義が謳われており、従来から改正法の遡及適用は減税方向の改正ではありましたが、増税方向の改正ではありませんでした。しかし、このときは初めて強硬突破したのです。
含み損のある不動産のオーナーがこれに対応するには、暮れの忙しい12月18日に公表された大綱(税制改正の方針)をキャッチして即座に売りに出し、年内に売買契約を結ばないといけませんでしたので、事実上不可能でした。
その後、この改正手続が憲法違反との訴訟が起こされ、最高裁まで争った結果「合憲」との結論となりました。
ですから、今回も2014年度から適用となると、土地等の二の舞いになる可能性があります。含み損を抱える会員権を持っている方は、年内の売却の準備をしておいた方がいいかも知れません。
そうなったら、相場の暴落必至です。
2013年11月30日 <5:24 > 田中良幸 |