男女とも日本が金メダルを獲得したスケートボードの会場は、パリ・コンコルド広場。この中央にそびえ立つのが、「クレオパトラの針」と呼ばれるオベリスク。
これは、エジプトのルクソール神殿の正面に対で立っていた2本のうち、右側の1本(高さ:23m、重さ:227トン、石材:赤色花崗岩)。ルクソール神殿の写真(7月1日撮影)を見ると、正面右側にオベリスクの台座だけが残されています。
約200年前にエジプトからフランスに贈られたもので、先端は三角形に尖っていて、金色に染められています。これは、正しくエジプトの象徴、ピラミッドです。
◆クレオパトラの針 http://www.obelisks.org/paris_j.htm
このオベリスクはクレオパトラの針(Cleopatra’s Needle)と呼ばれます。
このオベリスクはエジプト・ルクソールのルクソール神殿に、ラムセス2世によって立てられた一対のオベリスクのうちの1本で、19世紀にパリに運ばれてきたものです。
フランス政府はオベリスクをエジプトから入手することを考え、ジャン・バプティスト・アポリネール・ルーバというフランスの海軍技官が1年間かけてエジプト総督のムハンマド・アリと交渉し、ルクソール神殿前のオベリスクを入手する許可を正式に得ました。1831年6月8日のことです。当初はルクソール神殿の正面に立つ2本を両方とも運び出す計画でしたが、ヒエログリフを解読したシャンポリオンの助言もあって、左右のうちで比較的に保存状態が良かった右側のオベリスクが、まず最初に運び出されることになりました。そして1836年10月25日に、国王ルイ・フィリップ臨席のもとに、パリのコンコルド広場の真ん中に立てられ、ここに大事業はついに完結したのです。
2024年7月30日 <15:54 > 田中良幸 |